2020.02.05

パーパスブランディングは、消費者の心を射抜くスナイパー発想ではダメな理由

ブランドパーパスは、“この指とまれ!”の発想で

これまでのブランディングとパーパスブランディングの違いは何でしょうか?

これまでのブランディングの多くは、企業が消費者というお金儲けの源泉を“ブランド価値”の提供で狙い撃つという“スナイパー発想”で行われてきました。ターゲットの消費者個人が得られる価値だけに焦点が当たっていて、社会における存在意義という観点では価値の定義がされていません。
一方、パーパスブランディングは、社会的な存在意義をパーパスとして定義することで「この指とまれ!」と賛同や共感を集めることで、ブランドの使用や購入・推奨行動につなげていこうとするものです。

例えば、エナジー系ドリングのレッドブルは、「個人的で刹那的な欲求を充たす」という提供価値でブランディングが行われているかのようにも見えます。しかし、レッドブルのブランドパーパスは「世界に活力を与える」ことです。「あなたに活力を与える」ことではなく、社会にとっての存在意義を定義して、エクストリームスポーツの支援など、全てのマーケティング活動が展開されています。

P&Gパンテーンの “この指とまれ!”なパーパスブランディング

P&Gのヘアケアブランドのブランドパーパスは、「あなたらしい髪の美しさを通して、すべての人の前向きな一歩をサポートする」ことです。ひとりひとりの個性を尊重する社会を応援する「#HairWeGo さあ、この髪でいこう。」という一連のキャンペーンの中で、昨年“この指とまれ!”なプロジェクトが話題になりました。
それは、画一的な就活ヘアをテーマに賛同企業と共に発信する『#令和の就活ヘアをもっと自由に』プロジェクトです。

協賛139社の写真

さまざまなメディアで「令和元年10月1日、内定式に自分らしい髪で来てください」とメッセージし、この考えに賛同した企業139社も掲載されています。

ブランドマネジャーの大倉氏は次のようにコメントしています。「私達は本プロジェクトを通して画一的な就活ヘアをなくそうといった単純なメッセージを伝えたいのではなく、就活生や企業側、また社会全体での対話を通じて、少しでも多くの自由な選択肢が生まれ、学生が勇気や自信をもって、自分らしく就職活動を行えることをサポートしていきたいと心より願っております。」

消費者だけではなく、さまざまなステークホルダーにパーパスを旗印に“この指とまれ!”を行い、多くの賛同を集めてブランドのビジネスを成長させる。この点が、これまでのブランディングとの違いのひとつと言えるでしょう。

 

残席が僅かとなっております。

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