INSIGHT LAB

【連載1回目】デコム入社1年目 ぴかりんの初心者なりにインサイトを語ってみた!

私の名前は柏原耀(カシワバラヒカル)。ついたあだ名はぴかりんです。

以前は、金の延べ棒をセコセコと販売しておりました。飛び込み営業の訪問先で水をぶっかけられたりしても上司に「お客様への誠意が足りない」といわれ、「誠意とは」と真剣に悩んだこともありました。

そして、ひょんなきっかけから「俺んとこ来ないか?」(気志團かよ)とお誘いを受けて入社したのがデコム。「ここが会社のトップページだから」とURLをDMでもらって拝見しましたが入社前の私は「ちょっと何言ってるかわからない」状態でした。

特に「ちょっと何言ってるかわからない」状態だったのが、連発される「Insight(インサイト)」。

インサイトの定義は、「人を動かす隠れた心理」です。なぜインサイトが大事になってきたかというと、現代は「だいたい、いいんじゃないですか?時代」に突入し、消費者のニーズはほぼ満たされているからです。

さっぱりわからない。何が「だいたい、良いんじゃないですか?時代」なんだ。私の懐事情はだいたい良くない時代だ。そんなことはどうでもいい。「インサイト」を理解するより先に、私は「だいたい、良いんじゃないですか?時代」を知るため、まず私は「だいたい、いいんじゃない?」といわれるに至った理由を探ることにした。

消費者は本当に満たされているのか

「だいたい、いいんじゃないですか?時代」を理解するには、まず今までの商品企画の歴史を知ると良いよ。と時に優しく、時に厳しい先輩が教えてくれたので、お勉強することにしました。

日本の黄金期「ジャパン・アズ・ナンバーワン!」と呼ばれた1980年頃、消費者の生活はまだまだ目に見えた不満が沢山あった。目に見える不満を私たちは「ニーズ」と呼んでいます。

「暑すぎて、しんどい。仕事なんてやってられない」というようなニーズがあった時に企業はエアコンを作りました。「部屋を涼しくしてくれる機械!?超ほし~。」となり、瞬く間に世間に広まりました。この時代は、目に見えるニーズが沢山あったので、そのニーズを満たせば商品が売れた時代です。デコムでは「だいたい、良くない時代」と呼んでいます。

なるほど。つまり昔はニーズがゴロゴロしていたから「困ってますか~?」「はい、こんなところに困ってます!」ていう消費者の声が常に聞こえていたってことだな。

しかし、今はありとあらゆるものが商品化されて、生活に困ることはまったくもってありません。「日々の生活で、非常に困っていることはございますか?」とインタビューされても「ん~とくにはないですかねぇ。」と答える方が大多数です。なぜなら、日々に感じられるニーズはもうほとんど「だいたい、よくない時代」に解消されたからです。

「だいたい、良くない時代」にニーズはほとんど解消されてしまったので、不満がほとんど払しょくされています。つまり、作り手側は不満を見つけてそれに合わせて商品を作らないと売れない時代になったのです。

その時私は思いました。ニーズがもう刈り取られてるならもう不満はないんじゃないか?と。ですがこの疑問に関する答えは、NOです。なぜNOなのか。私は行動心理学を知り、愕然としました。

「人間は5%の意識と95%の無意識で意思決定を行っています。」

私の行動のほとんどは無意識で動いていたのか。というより人間はそんなに無意識に偏っていたのかと。

これは商品を購入するときにも同じことが言えますよね。商品を買うことも行動なので95%の無意識で「これがいい」とか「これは嫌だ」を決めているということになります。無意識ということは、行動している本人自体もなぜその行動をしたのかわかっていないということです。

つまり「無意識の中に不満が隠れていたとしても自分さえも分かっていない」ということになります。ただ誰も分かっていないものをどう引っ張り出すのか。ここで満を持してインサイトの登場です。

人を動かす隠れた心理

改めてインサイトの定義をご案内すると「人を動かす隠れた心理」です。ここでポイントが二つ。「動かす」と「隠れた」です。インサイトを語る上での導入部分なので必ず覚えておくように!と念を押された部分です。

まずは1つ目の「動かす」です。「これがインサイトだ!」と思っていても、消費者が買ってくれなければインサイトを捉えたとはいえません。社長曰く「いい加減インサイトを捉えた、いい加減アイデア」だそうです。

次に「隠れた」です。インサイトを語るうえで「ここは超大事だから絶対忘れないように」といわれたポイントです。

まず、大前提として、「隠れていなかったらニーズだ」ということです。無意識に抱いている、消費者が気づいていない不満を捉えてあげることが重要になります。インサイトを捉えたと思った商品を見せて「ん~、別に何とも思わないなぁ」ではだめです。「こういうの待ってたんですよ!めっちゃ便利っすね!」を引き出して買っていただくことが、インサイトを捉えた商品になります。

ここまで来てようやくわかったインサイト。

今、消費者は不満がない。ないわけではないけど気づいていないってことなんですね。誰も気づいていない不満をがっちり捉えてあげることで消費者に合わせた商品を作れる。

あ~、やっとわかったよ。難しすぎるよインサイト。でもここまでわかれば、私もこれでインサイトのプロになれたわ~。

「あ、でもあくまでインサイトの定義だから。いわゆる導入部分だから。」

入社一年目柏原耀、がんばれ柏原、負けるな柏原。インサイトを捉えるべく柏原の戦いが始まる。

STEP2に続く>>
デコム入社一年目 ぴかりんの初心者なりにインサイトを探ってみた