ジョナサン会の開催
・新規管理部とジョナサン会
2019年、管理部が刷新されました。責任者の入社のタイミングでの新規配属もあり、あらためて社内の課題を把握することを、まずは最初に行おうと管理部全員で、社員1人1人に対して最長で3時間にも渡る面談を行いました。
当時のオフィスの目の前にあったファミリーレストランのジョナサンにて、ドリンクバーを飲みながら面談をすることから通称「ジョナサン会」と呼ばれました。
・軸が無かったデコム
ヒアリングを重ねていく中で、ある日とあるメンバーからこんなひと言が。
「なんか、デコムって頼りとする軸がないんですよね~、軸が。」
まさに当時のデコムには、全社員共通の判断軸やベースとなる考え方があまりなく、「やることのベクトルがあっていない」感じでした。
そこで、有志メンバーにより「軸=ビジョン」作成プロジェクト(ビジョンプロジェクト)が結成されました。
ビジョンプロジェクトの立ち上がり
・まずは他社の事例収集
集まった有志は、会社のビジョンをつくった経験はありません。流石にいきなり0から作るのは難しいと考え、まずは参考事例として他社のビジョンやミッションを何十社分か調査することにしました。事例収集を通して「デコムっぽいビジョンやミッションってなんとなくこんな感じかな…」というイメージを膨らませていきました。
・社内メンバーへ「ビジョンってあった方が良いと思う?」(ヒアリング1回目)
「ビジョンを作ること、組織に広めていくこと」がどういうことなのかについて、ある程度イメージを掴んだところで、社内インタビューを実施しました。聴取内容はそもそも「デコムにビジョンを作った方が良いと思う?」です。
結果としては、ビジョンを作成することに対しては肯定的な意見を多くもらうことができました。ただ、ビジョン自体がまだ形になってい分「出来上がった内容による」という声も少なくなかった為、以降の「各社員との密なコミュニケーション」や、「途中経過をいつでも社内の誰もが見れる状態にする」というプロジェクト自体のオープン性を確保することにしました。
コロナショック
社員皆の合意もとれ、いざここから本腰を入れて・・・というところでまさかの緊急事態宣言。社員の健康を第一にという経営判断により、即時完全リモート勤務が開始され、働き方や業務の運用方法も刷新。本プロジェクトは一旦休止となります。
一方、リモート勤務により、お互い顔を合わせられなくなった分、頼りどころとなるビジョンは期せずしてその必要性がより高まっていくのでした。
復活のビジョンプロジェクト
・秘めたる代表の想い
緊急事態宣言から数か月後、情勢も落ち着いてきたころにビジョンプロジェクトは再始動しました。前回の課題点を踏まえ、「ビジョンがない問題への現場の課題意識」と「現実的な組織運営」の溝を埋めるべく、デコム代表の大松に対するヒアリングを行うことにしました。調査業務にてインタビュー経験が豊富なメンバーはそのスキルを十分に発揮したとかしないとか。
具体的な聴取内容は、
→代表大松の生い立ち、デコム創業に至るまで
→デコム創業のきっかけや込めた想い
→その上で社として今後目指す姿や方向性
→デコム社員に期待したいこと
…などでした。
かなりの時間をかけて代表の想いを聞いたことで、このプロジェクトのポイントは「代表の想いとデコム社員の働き甲斐をいかに橋渡ししていくか」であることが見えてきました。
・社内メンバーへ「代表の想いに対してどう思う?」(ヒアリング2回目)
次に行ったアクションは2回目となる社内ヒアリングです。
今回は代表が語った内容を事前に各社員に読み込んでもらい、その上で「デコムにどんなビジョンがあると、もっと働き甲斐を感じられそう?」という内容のヒアリングを重ねました。
結果としては、まず想像通り代表の想いに対して賛否両論の反響がありました。ストレートに心に響いて共感するメンバーもいれば、逆に違和感を感じたり、むしろ「もっと早く伝えて欲しかった」という声もありました。しかしそれでもメンバーみんな、会社を良くしたいというビジョンプロジェクトの目的のために、様々な意見や案を話してくれました。
・ビジョンそしてパーパスの完成!
全社員から貰った意見や仮案を基にプロジェクトメンバーと代表で何度も話し合いながら、「軸がない問題」を解決する為のビジョンに追加し、パーパスについても完成させることができました。
完成したビジョンとパーパス
・ビジョン
・パーパス
完成したビジョンとパーパス
・ビジョンだけでは”自分ごと化できない”
遂に完成したビジョンとパーパスですが、これだけでは社員が日々の業務と結びつけることが難しいという声が新たにあがりました。
そこで、「ビジョンやパーパスを実現するため、社員1人1人が常日頃からとるべき行動の指針」=「バリュー」を作成することになりました。こうしてビジョンプロジェクトのメンバーは、バリュープロジェクトのメンバーへと役割をあらたに、課題に向き合う事となりました。
・全社ワークショップを開催
バリュープロジェクトメンバーの多くは、アイデア開発のワークショップ経験が豊富だったこともあり、弊社独自のビジュアル刺激法(※)などをここぞとばかりに投入しました。
参加する社員の多くも分析のスペシャリスト達であったため多くのアイデアを順調にあつめることができました。
(※たくさんの写真を刺激物として、気持ちや五感の投影を通じてインサイトを明らかにする。投影法の技術を活用し、無意識に間接的にアクセスすることを意識した調査手法。)
・下案の作成と完成したバリュー
アイデアを元にバリュー候補案を3つに集約したプロジェクトメンバー達。
ファーストペンギンになろう
共に突破しよう
好奇心につられて寄り道しよう
これらを下案として、社員が日々の行動の優先順位指針として想起してもらう為には、また作ったバリューが浸透する為にはどんな仕掛けをすればよいのか議論に議論を重ねました。
ここまでで、ジョナサン会から約2年が経過、ゴールラインまで後少しまでとなったものの最終納期が着々と迫り、制限時間オーバーが見えてきた年の瀬となっていました。
そんな中、最終手段として、年末年始休暇中に、言葉の最終磨き上げを代表に宿題としてお願いするというアイデア(暴挙)を思いつくプロジェクトメンバー達。フラットな組織とはいえ、承諾してもらえるか緊張の走る提案です。
代表はこう答えました「やりますよ~。」快諾する代表。
安堵し、涙するプロジェクトメンバー達・・・・。
こうしてプロジェクトは無事ゴールラインを制限時間内に越える事ができました。
想起しやすさを醸成する為に、日頃ワークショップでお世話になっているイラストレーターさんにバリューにあったイラストも描いて頂きました。ペンギンがモチーフなのは、ファーストペンギンになろうという下案の想いも込めた為です。
・完成したバリュー
・社内浸透施策
バリュー発揮についての社内表彰制度(表彰者には素敵なプレゼントを贈呈)
バリューイラストステッカーの配布(社員皆PCに貼っています)
など。現在も鋭意施策検討中です。