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「この商品は買わない」消費者の不満を聞いてはいけない理由

全てのブランドには、必ずと言っていいほど“買いたい”と感じるプラスの理由と、“買いたくない”と感じるマイナスの理由が存在します。

「買いたくなる理由」は、そのブランドの強みと言っても良いでしょう。しかし、その強みがあるから購買という成果に結びつくとは限りません。マイナスの理由である「買いたくならない理由」が解消されていないと、なかなか購買には辿り着かないとデコムでは考えています。

もし「買いたくならない理由」が解消されていなければ、強みである「買いたくなる理由」が十分に活かされないと言っても良いでしょう。プラスを、マイナスが打ち消してしまうのです。

しかし、この「買いたくならない理由」の本質をつかむことは、容易ではありません。なぜなら、普通にインタビューやアンケート調査を行っても“表面的な不満”に終始してしまうからです。

“買いたくならない表面的な不満”を聞いても意味がない理由

毎月届くタイプの幼児教材ビジネスの事例をご紹介します。

新規顧客の獲得に苦戦しており、「なぜ入会してくれないのか?」を明らかにするために、インタビューやアンケート調査が行われました。

調査の結果、入会しない理由として「料金が高い」「家の中に物が増える」という声が多く上がりました。

そこで、その「逆」を提案すれば良いと考えたチームは「今より料金が下がります」「家の中に物が増えない仕組みが提供します」という解決策を、入会しないターゲットに投げかけてみました。

しかし、なぜか芳しい反応は得られなかったのです。

なぜなら、「料金が高い」「家の中に物が増える」という声は一見筋の通った理由に見えますが、実際は“表面的な不満”だったのです。本質では無い不満と言い換えても良いかもしれません。

“表面的な不満”をいくら聞いても、解決にはいたりません。本質が解決しない限りは、雨後の筍のように次から次へと「買いたくならない表面的な不満」が多数出てくるでしょう。

“買いたくならない本質的な不満”を知る方法

“買いたくならない理由”の本質を明らかにするために、価値を糸口に、不満を知るインサイトリサーチ手法があります。

幼児教材ビジネスの事例の場合、ターゲットである幼児のママたちの「育児における最高のモーメント」から、この幼児教材に感じられている不満を明らかにできました。

具体的に言うと、育児は大変な経験が多いですが、それでも子供を産んで良かったと思える最高に幸せな瞬間を、多くのママは経験しているだろうと考えたのです。

このインサイトリサーチ手法で分かった“買いたくならない本質的な不満”を払拭すべく、ブランドが提供する価値の再定義が行われ、大きな成果を上げることに成功しました。

価値の再定義を行う際、このブランドの強みを活かし、変えるべきことと変えないことを明確にしたことは、言うまでもありません。

このように“買いたくならない理由”の本質は、ターゲット自身も気づいていない、或いは、うまく言葉にできないのです。これを言語化し見える化できるのが、デコム独自のインサイトリサーチ手法です。