みんな大好き、無印良品。熱狂的なファンも多く、「MUJI passport」をダウンロードしている消費者は大勢いるのではないでしょうか?
なぜ、無印良品はここまで多くの消費者に愛されるのでしょうか。どのような価値が隠されているのでしょうか。私たち株式会社デコムのIATチーム(Insight Analytics Team)が調べてみました。
「無印良品」が愛される理由
私たち株式会社デコムの運営しているサービス「Trend banK」に、無印良品の人気の理由に迫れそうな事象を幾つか発見しました。
※Trend banKについて https://tre-ban.com/
2つの事象から「ブランドに対する忌避」「装飾に対する忌避」という価値が垣間見れます。
「身の引き締まる仕事前のメイク」事象では、”ありのままの自分”を表現するためにムダな装飾をしないという態度から、何をまとうかではなく、それをまとった自分はどうであるべきかが大事だと思っているんだろうなぁ、と考えます。
「極限までシンプルを追求」事象では、良いモノにエンブレムは不要という態度から、ブランド=意味論は自分の個性にとって邪魔だと思っているんだろうなぁ、と私たちは考えます。
両方の事象から、シンプルさとは、単純という意味ではなく、本質を捉えて、それ以外を削ぎ落した姿なのかもしれないと洞察できます。そして身の回りには、本質も含めて削ぎ落したり、或いは本質に色んな贅肉をつけて「お得感」をアピールしたり、そうした商品・サービスがなんと多いんだ!と驚きます。
価値を押し付けないシンプル/ナチュラルさ
無印良品が受け入れられるのは、価値を押し付けないシンプル/ナチュラルさがあるのではないでしょうか。食品から雑貨まで縛りのない多様な商品ジャンルがありますが、そのいずれもが「シンプル」で、モノ自体の価値をありのままに表現しています。
当たり前のように言っていますが、これがなかなか難しい。
ユニクロ、ニトリ、アイリスオーヤマなど競合の製造小売業に目を向けてみましょう。
「価格以上の機能を提供している」ように見えます。良く言えば「コスパが良い」のです。その分、「自分って安くていいモノ探すの上手いでしょ」的主張が垣間見えます。
一方で、無印良品は価格以上!お値段以上!というような、価格に対してコスパが良い、というような売り方をしていません。だからこそコスパ重視タイプの人から見たら「高い!」と感じるかもしれません。
しかし無印良品が提供しているのは「シンプル/ナチュラルで必要十分なモノを作って売る」と考えると、シンプルさに昇華させるために費用が掛かったと捉えられるかもしれません。
「無印良品」の持つ価値とは「価値を押し付けないシンプルさ」ではないでしょうか。だからこそ、そうした価値を好む消費者に熱狂的に支持されているのではないかと洞察します。