世界規模でブランドやビジネスを展開する際に、グローバルで共通した価値や製品を定義し、プロモーションなどを各国や地域に最適化させる「グローカル」の発想が重要なことは、よく知られています。
Think globally, act locallyという言葉が有名です。
例えば、炭酸飲料ブランドのコカ・コーラは、世界共通のブランドパーパス(ブランドがこの世に存在する意義)として、「コカ・コーラ独自のおいしさを通じて、楽しい時間や空間を共有し、世代や人種を超えてさまざまな人を繋ぐこと」を定義しています。その上で、各国の消費者インサイトを捉えた製品やプロモーションを展開し、世界規模でビジネスを成長させようとしています。
“グローバル共通”と“各国(地域)への最適化”を導くためのインサイト
このような展開を行うには、「人が人とつながりたい、ひとつになりたい」というグローバルに共通する欲求を見つけ出し、ブランドやビジネスの価値や存在意義の根幹をつくる必要があります。
同時に各国や地域特有の欲求も理解しておかなければなりません。
「人が人とつながりたい、ひとつになりたい」と想う気持ちは、どんな人がどんな生活場面で求めるでしょうか。それは、世界共通でしょうか。「人が人とひとつになること」の意味は、各国や地域で違うでしょうか。
これらの共通点と相違点を知るために各国で、インサイトを明らかにするリサーチを行う必要があります。
現地の文化・生活文脈の理解から始める3つのステップ
グローバルでインサイトを捉えるには、次の3つのステップを踏むことが望ましいと考えられます。
(1)背景理解:現地のトレンドや文化・生活文脈の理解
(2)仮説探索: “グローバル共通”と“各国(地域)への最適化”の仮説を導く定性調査
(3)仮説検証:(2)で導いた仮説のボリュームを定量的に検証する
(1)と(2)について具体的には、各国に赴き、現地の生活やトレンドに触れ、生で消費者の家庭に訪問したり、インタビューを行うことが望ましいでしょう。しかし、より多くの国や地域、より多くの消費者をリサーチすることは、現実的には難しい場合がほとんどです。このような定性調査は、一般的に手間暇がかかるものだからです。
仮説を探索するプロセスでは、はじめから消費者を細かくセグメントすべきではなく、幅広い属性の消費者を対象にリサーチすべきです。ブランドやビジネスの機会を探すことが目的ですから、入り口ではできるだけ可能性を広げておくべきです。
日本にいながらにして(在宅勤務でも)グローバルに各国のインサイトを捉える方法
テクノロジーとテクニックを駆使して、もっと世界規模で効率的にリサーチが行えないだろうか、そのような手法はないだろうか、と考える方もいるでしょう。
また、いまは世界的な新型コロナ禍で渡航も難しく、現地でも外出禁止令が出ていたり、消費者とリアルに接する調査方法は実施が困難です。
そこで、デコムで実績豊富な「日本にいながらにして(在宅勤務でも)グローバルに各国のインサイトを捉える方法」のGIR(グローバル・インサイト・リサーチ)を紹介します。
まず、GIRの活用目的を見て行きましょう。
パーパスブランディング / 製品ではなく意味をリニューアルする / サステナビリティ戦略 / 既存ブランドのリニューアル(価値の再定義) / ブランド戦略のローカライゼーション / 新ブランド開発 / 新規事業開発 / 新商品・サービス開発 / 広告プロモーションのローカライゼーション など
次に、3つのステップの中身を見て行きましょう。
(1) 背景理解:現地のトレンドや文化・生活文脈の理解
手法は、現地リサーチャーやエキスパートによるデスクリサーチです。
ステップ(2)で行う定性調査の前に、現地の価値観や文化・生活文脈の前提を理解しておかないと、インサイトの解釈を間違えてしまうので、このステップが必要です。すでに、その前提理解ができている場合は不要です。
また、現地に精通し、かつ日本の価値観や文化も分かっているスタッフでなければ、日本との共通点と相違点が解釈できないという点も大事なポイントです。
デコムでは、そのようなスキルを持った現地リサーチャーやエキスパートによるデスクリサーチを行うことで、現地で流行している消費者行動や現地メディアで紹介されているトレンドなどを、ビジュアルとテキストでレポーティングします。
<アウトプット>
現地のトレンドや文化・生活文脈するための、現地リサーチャーによる「トレンド・コンテキストレポート」
(2)仮説探索: “グローバル共通”と“各国(地域)への最適化”の仮説を導く定性調査
手法は、インターネットを介したインサイトリサーチ手法です。
インターネットを介して世界約50か国以上、5,000万人以上の生活者を調査の対象にすることが可能です。デコムがインサイトリサーチ手法として15年以上運用してきた、頑健な定性調査手法を活用でし、観察調査やインタビュー調査では実現が難しい、大量のひとり(n=1)の事実を収集します。
<アウトプット>
グローバリゼーションを導くインサイト(国や人種を超えて共通するもの)とローカライゼーションを導くインサイト(特定の国や地域に顕著なもの)の両方を分析する「グローバル・インサイトレポート」
(3) 仮説検証:(2)で導いた仮説のボリュームを定量的に検証する
手法は、Webサーベイです。
ステップ(2)で導いた仮説(インサイトやバリュープロポジション)のボリュームを定量的に検証します。
“国や人種を超えて共通するもの”は何か、“特定の国や地域に顕著なもの”は何かを計量的に明らかにします。
この結果をもとに、戦略(ブランド、商品、プロモーション、サービス、事業)の意思決定が可能となります。
<アウトプット>
インサイトやバリュープロポジションの定量調査結果の「グローバル・定量レポート」
詳しくは、こちらの資料をご覧ください。