メガトレンドは、生活者の「n=1行動」の集合体
先日デコムから「With/Afterコロナに企業が注視すべき消費者の新・欲求 New Normal Planet」を発表させていただき、大きな反響をいただいています。たった一人の人しかやっていないような「n=1がしている行動」から、新しい潮流を読み解くのがデコム流です。ということは、大きなトレンドはn=1の集合体からできている、ということもいえます。大きな森は、1本1本の木の集まりなのです。
デコムが運営するメディア「Trend banK(リンク)」には、「新奇事象(n=1行動)」だけが掲載されているのではありません。「新奇事象」に関連する、「マイクロトレンド(最近、巷で流行りの消費事象・企業動向)」、「メガトレンド(人口動態、社会動向など数値データが出ている事象)」も掲載されており、森と木の両方の視点から、消費行動を確認できるようになっています。
メガトレンドに関連するマイクロトレンドは?
例えば、「生理用品の生産金額が600億円に拡大傾向」というメガトレンドについて、関連するマイクロトレンドをみていきましょう。
ひとつめのマイクロトレンドは、2017年からメディアに漫画として連載されはじめ、2019年には映画化もされ話題になった、生理を擬人化した「生理ちゃん」。女性同士でもなかなか話せなかったような生理が来ることによっておこる物語や心理がコミカルに描かれていて、女性には笑いと共感を、また男性にもたくさんの気づきを与えてくれました。「生理はタブー」の傾向に一石を投じ、「生理をオープンにする」ムーブメントのきっかけのひとつとなりました。
ふたつめに、生理用品メーカーが行った「#NoBagForMe」プロジェクト。生理用品を購入する際に、中身が透けて見えないように紙袋に入れることにNOを示す選択肢を後押しするプロジェクトです。「生理は隠すべき恥ずかしいもの、ではない」という、生理の新しい見方を行動として示すきっかけのひとつとなり、話題を呼びました。
メガ・マイクロトレンドの背景にあるn=1事象とは?
「生理用品の生産金額が600億円に拡大傾向」というメガトレンドには、「隠す生理」から「オープンにつきあう生理」という新路線を後押しするマイクロトレンドが関連していました。ではそれらに関連する、新奇事象をみていきましょう。
おひとりめ、「使用済みの生理用品を、普通のゴミと一緒に扱い、捨てる」という方がいらっしゃいました。当たり前のように生理ゴミを特別扱いすることで、家事の負担も増えていたんですよね。「生理ゴミも特別扱いしない」という心理がみてとれます。
おふたりめは、「重い生理痛には、ネガティブマインドで寄り添っていく」という方。周囲に合わせて「生理だけどいつもと変わらないように元気な私でいなくちゃ!」という従来の考え方ではなく、長くつきあっていくしかない生理の時は、無理せず心身を緩めてもいい、「生理と長く付き合っていこう」という心理がみてとれます。
女性の就業率が上がり、共働き世帯も増えている今、かつてマイノリティだった女性だけの問題として隠されていた生理についても、個人発・企業発のムーブメントを契機にスポットライトがあたり、オープンに語られるようになってきています。個人差があることや、性格のせいではなく生理の影響で感情の変化が起こることも知られるようになりました。今後は、性別による身体的な差だけでなく、長年女性に課されてきた社会通念にもスポットライトが当たるようになっていくでしょう。そして性差だけに限らない、個人の事情を考慮しながら、誰もが公平に生きやすく働けるようになるムーブメントが起こってくるのではないでしょうか。
生理の事例でみてきましたが、メガトレンドは、マイクロトレンドの積み重ね、マイクロトレンドはn=1行動の積み重ねで、長い時間をかけて形成されていきます。ですのでメガトレンドのグラフや数値の背景にある、n=1の心理を読み解くことが、とても重要なのです。
「n=1行動」に関連するマイクロ・メガトレンドも閲覧できるメディア「Trend banK」
上記のような、n=1行動に関連するマイクロトレンド、メガトレンドをセットで、いつでもどこでも読めるのが「Trend banK」というメディアです。
デコムのインサイトアナリストが厳選した事象行動やマイクロトレンド・メガトレンドを、毎日読むことができます。生活者がお金を使う「生活14カテゴリ」に加え、コロナ禍の事象を集中して読めるような「コロナ」事象も掲載しております。
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