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お菓子の価値は充実した〇〇のおとも?メガトレンドの背景に「n=1行動」の兆しあり!

メガトレンドから逆算して生活者の「n=1行動」を見つめる

外出自粛や在宅勤務をされる中で、自宅でお菓子に手を伸ばす機会が増えた~、という方はいらっしゃいますでしょうか。デコムが運営しているメディア「Trend banK」に掲載している「コロナ」に関連する「新奇事象(n=1行動)」を眺めていると、食べたり飲んだりするモノやシーン、目的に変化を感じている方が多くいらっしゃるようです。

たった一人の人しかやっていないような「n=1がしている行動」から、新しい潮流を読み解く手法は、デコムの基本的な考え方です。同じくらい大切にしているものの見方が、「新奇事象(n=1行動)」に関連する「マイクロトレンド(最近、巷で流行りの消費事象・企業動向)」や「メガトレンド(人口動態、社会動向など数値データが出ている事象)」といった森の視点です。

今回は、身近にある「お菓子」について、「メガトレンド」「マイクロトレンド」から逆算して、「新奇事象(n=1行動)」を紐解いていくことで、新しいお菓子の可能性について、考察してみたいと思います。

トレバンヘッダー

お菓子のメガトレンドは?

お菓子に関するメガトレンドは「Trend banK」にもいくつか掲載されています。
お菓子に1世帯当たり年間約7万円支出」というメガトレンドがあり、世帯単位でお菓子への支出金額が伸びていることがうかがえます。別のメガトレンドでは、「お菓子のトレンドはお手軽感」ということで、お菓子の中でもすぐに食べられるチョコレートや生菓子、スナック菓子などが人気のようです。
それでは、お菓子のメガトレンドに関連するマイクロトレンドをみていきましょう。

お菓子メガトレンド

メガトレンドに関連するお菓子のマイクロトレンドは?

ひとつめのお菓子に関するマイクロトレンドは、「フィーカ」。甘いものと一緒にコーヒーを飲む小休憩のことで、北欧で大切にされている生活習慣です。下記のマイクロトレンドでは職場の同僚とのシーンが紹介されていますが、本場北欧では恋人や家族とも「フィーカ」を楽しんでいます。

ステイホームを経験した現在の日本においても、お菓子をつまみながら家族との時間を楽しむ「フィーカ」が、ネーミングの認識はない場合が多かったと思いますが、ウィズアフターコロナ期においても広がりをみせていくでしょう。人とのつながりの中においては、お菓子は「お腹を満たす」価値よりも、「コミュニケーションのきっかけ」という価値がみてとれそうです。みんなですぐにつまめる手軽なお菓子の人気は、継続していくことがうかがえます。

お菓子マイクロフィーカ

ふたつめのマイクロトレンドは、コーヒーを中心とした小売店で販売されて話題になった「ビーン・トゥ・バー・チョコレートキット」。カカオの健康効果も広く浸透し、ますます人気のチョコレート。その原材料であるカカオ豆をすりつぶして、なんと4時間かけて自分でチョコレートを作れるというキット商品です。

工場見学ブームに裏付けされるように、身近なお菓子についても、どんな材料でどんな風に作られるのかということに興味がわきますよね。自分で作ってみたいという探求心にこたえてくれる「原材料や作る過程を楽しめる」という価値を提供してくれています。「パッと口に入れられる手軽さ」とは一見真逆ですが、謂れの分かる、より質のよいお菓子とともに「フィーカ」を楽しみたいという欲求を充たしてくれそうです。

<strong>ビーン・トゥ・バー・チョコレートキット</strong>の事例

メガ・マイクロトレンドに関連するn=1事象の兆しとは?

「お菓子に1世帯当たり年間約7万円支出」というメガトレンドには、「手軽にお腹を満たす」から、「充実したコミュニケーションタイムのおとも」という新路線を後押しするマイクロトレンドが関連していました。ではそれらに関連する新奇事象から、新しいお菓子の兆しをみていきましょう。

おひとりめ、「家族全員がお気に入りのお菓子を箱買いしておく」という方がいらっしゃいました。「家族がそろうくつろぎ時間に必要不可欠」なお菓子は、絶対に切らしてはいけないものですよね。お菓子の在庫をとぎれさせない新しい「供給の仕組み」にも、新しいチャンスがありそうです。

お菓子の箱買い

おふたりめは、「夫婦が好きなお菓子を、原材料を育てるところから楽しんでいる」という方。夫婦で干し芋が好きすぎて、「原材料から極めたい」という心理がみてとれます。農家やお菓子メーカーが持つ知識の共有や試行錯誤の過程を通じて、マニアとお菓子のある暮らしを共創していくというコミュニケーション姿勢に、新しいチャンスがあるかもしれません。

干し芋大好きの絵

甘かったりサクサクしたりと、癒しやストレス解消にも絶大な効果を発揮してくれるお菓子。健康志向にこたえる商品も増え、安心して口にすることができ、ますます身近になっています。自宅で手軽に食べられるお菓子には、ウィズアフターコロナ期においても、「良質なコミュニケーションタイムを演出するおとも」としての方向性が求められていそうです。またコロナで、小麦粉が品切れになるほど、自宅でお菓子作りをする人が増えました。フェアトレードやトレーサビリティの観点も重要視されていますが、「お菓子を作る過程を楽しむ」ムーブメントも継続して起こってくるのではないでしょうか。

お菓子の事例でみてきましたが、メガトレンドは、マイクロトレンドの積み重ね、マイクロトレンドはn=1行動の積み重ねで、長い時間をかけて形成されていきます。ですのでメガトレンドのグラフや数値の背景にある、n=1の心理を読み解くことが、とても重要なのです。

「n=1行動」に関連するマイクロ・メガトレンドも閲覧できるメディア「Trend banK」

上記のような、n=1行動に関連するマイクロトレンド、メガトレンドをセットで、いつでもどこでも読めるのが「Trend banK」というメディアです。

デコムのインサイトアナリストが厳選した事象行動やマイクロトレンド・メガトレンドを、毎日読むことができます。生活者がお金を使う「生活14カテゴリ」に加え、コロナ禍の事象を集中して読めるような「コロナ」事象も掲載しております。

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