コロナ禍で外食の機会が減っています。消費者の外食を楽しみたいという欲求は減るどころか、反動で大きくなっているのでしょう。
まるで外食をしているような気分になれる「まるで外食」な商品が好調のようです。
これまで消費者が外食で体験してきた味の再現だけでなく、「まるで外食」な時間を演出するための“五感”を商品で得られることにも、未充足はあるでしょう。
中食・内食が伸びている一方で外食産業は苦戦を強いられており、
メーカーの飲食店向け事業においても、いまマーケティング施策として何をすべきか模索が続いています。
メーカーの担当者からは、飲食店の事業主や担当者がいま何を求めているか情報が無くて困っている、との声も聞かれます。
メーカーによる飲食店向け施策は、飲食店事業者、消費者、メーカーの“三方良し”の視点で、三者が求めていることをすべて充たす企画の立案が肝となります。
では、いま飲食店事業者と消費者が求めていることは何か?表面的ではない本質的な欲求とは何か?を理解するにはどうすればよいでしょうか。
その際に陥りがちな2つのポイントについて解説します。
「不便や不満」ではなく、「価値ある体験ストーリー」に着目する
まず、飲食店事業者や消費者の「不便や不満」から明らかにしようとするのではなく「価値ある体験」に着目することです。
飲食店事業者や消費者に直接的に聞く「不便や不満」は、表面的な意見で本質的な欲求を表していなかったり、その問題解決をメーカーが支援することが難しかったりすることも少なくありません。
現在のような状況においても、飲食店事業者や消費者は、飲食店にまつわる“うれしかった出来事”“こだわって行っていていること”“お気に入りのこと”などの「価値ある体験」を少なからず経験しています。
その「価値ある体験」にまつわるストーリーは、この世にたくさん存在しているのです。
まず、この「価値」を理解した上で、その「価値」から見たときにいまのメーカーによる飲食店向け施策/支援に「足りないもの」を明らかにしていきます。
たくさんの「価値ある体験ストーリー」を明らかにする方法としては、非効率的なインタビューなどのオフラインの手法ではなく、心理学の投影法をベースとしたオンラインでの調査手法を活用します。
これによって数十、数百、数千の「リッチな感情表現をともなう体験」を収集することが可能となります。
「サイエンス→アート」の順番ではなく、「アート→サイエンス」
次に陥りがちなポイントは、「アート&サイエンス」の順番です。
飲食店事業者と消費者双方の多数の「価値ある体験」から、筋の良さそうな仮説をできるだけたくさん見いだします。
自社の施策を企画する上で、重要であろうインサイト(本質的な欲求)と施策の切り口の可能性を広げるのです。
「こういう人が多いから」といった量的な傾向に着目して仮説を考えるのでは、インサイト(本質的な欲求)を捉えることはできません。
n=1の「価値ある体験ストーリー」に着目して発想しなければなりません。
このアート(より多くの可能性を見い出す)の工程をしっかりやり切った上で、その仮説をサイエンスで(統計的に再現性がある手法で)検証します。
インサイト(本質的な欲求)がニッチではなく、広く一般性を持ったものであるか。
その施策が飲食店事業者と消費者の双方に魅力を感じてもらえるものであるか。
いま充たされていない欲求を充たしており、新奇性を感じてもらえるか。
これらについて定量的に評価を行うことで、“三方良し”の施策であるか見極めることができます。
n=1の「価値ある体験」の具体例はダウンロード資料で
今回、コロナ禍における消費者の飲食店での「価値ある体験(n=1)」の具体例をダウンロード資料としてご用意しました。
また「飲食店事業者のn=1の価値ある体験」や「事業者と消費者双方のインサイトから施策の切り口を導き出す方法」について興味をお持ちの方は、こちらよりお問い合わせください