2021年10月31日、衆議院選挙が行われましたね。今回も相変わらずな結果となったようですが、投票率についても相変わらずな模様です。若者の投票率はどうだったのでしょうかね。なんだか今回はSNSなどでの若者への呼びかけも多く、投票率も変わってきそうだし、結果も楽しみだな~とそんなことを考えていました。今回の選挙は今回の結果ですね。
若者のことを知るって難しいですよね。今年32歳の大堀です。白髪も増えてきておじさん度合も高まってまいりました。ちょっと若い世代の人と話すとき、韓国アイドルのグループ名や名前にまったくついていけず、おじさんを通り越しておじいさんになったような気分で楽しかったです。
今回は、そんな若者、いわゆる「Z世代」に関することを、世代論の注意点と最新の若者事象分析とともに、お伝えしたいと思います。
世代論でわかった気になっていてはダメ! 「日本のZ世代」のことを本当の意味で知ることはできるのか
Z世代、X世代、ゆとり世代…世代論とは
Z世代は日本においては、「1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代」を指すそうです。
このあたりで生まれた人たちはデジタルネイティブで、SNSネイティブで、個人的な情報発信が当たり前で、個性的であることが目標とされ、環境問題意識が高く、パーソナライズされたコンテンツを喜ぶ…。などなど。いわゆるZ世代として括られて語られることはネットを調べれば色々とでてきますね。
カナダ発祥の「X世代(1960年代中盤から1970年代終盤に生まれた世代)」から続く世代論に加え、日本では独自の世代論も一般的ですね。私の世代を指して言われていた「ゆとり世代(1987年4月2日生まれから2004年4月1日生まれで、義務教育でゆとり教育を受けた世代)」、あるいは「さとり世代(1987年から2004年生まれの人の世代)」と呼ばれるもの。私個人としてはゆとりもさしてあるわけではないし、悟ってなんかいないですね。冷めてもいない、熱い人間です。ニルヴァーナ(涅槃)はバンドなら大好きです。ネハンベースというバンドも大好きです。
話が逸れましたが、世代論って当たり前ですけど誰かが決めた、さらにいうと確実に「その世代の人」ではない、「その上の世代の人」が考えたものです。
ゆとり世代についても、「ゆとり教育」というものがあって、その教育を受けたと「されている人達」のことを指しているわけです。決してその世代の本人たちが、僕らは「ゆとり世代です!」と宣言したわけではない。ここって誰もが解っていることながらも、重要なポイントですよね。
「世代論は、当人は別段普段意識して生活しているものではない」ということ。マーケティングをするうえで、絶対に忘れてはいけないことだと思います。世代論は、大きな背景情報として捉える目安として大事にするべきものです。
マーケターが世代論と向き合う姿勢とは
国の違いも世代論マーケティングをするうえで考慮すべきところです。アメリカのZ世代と日本のZ世代は生まれも育ちも環境も全然違って当たり前です。
ニュースレターメディアの「Lobsterr Letter」のvol.135で紹介されていたニューヨークタイムズの記事によるとミレニアル世代である30代の人がマネージャーポジションにつきはじめ、その働く姿はZ世代の若者には「ダサい」ものとしてみられているとのこと…。
開放感あるオフィスで、卓球を楽しみながら、コーヒーを飲みながら、仕事は遅くまで頑張る、といった現在日本でもスタートアップ企業のイメージとして一般化しているワークスタイルはもう古いモノ、ダサいモノになっているそうです。興味深いですね。「メンタルの調子が悪いので、今日は休ませてもらいます。」とSlackでメッセージを送るのもあたりまえに。なんてすばらしいことでしょうか。(あくまで個人的な意見です。)
このようなアメリカの世代論で語られているものも、全てまるっと日本の若者にもあてはまるわけではない。この「全てあてはまるわけではない、全てがあてはまらないわけでもない」という二重否定の思考法で世代論を考えていくことこそ正しい姿勢な気がします。日本の人口構成比をみてもアメリカのそれとは全く状況が違います。働き方に関する意識も、実際に就く仕事も、やっている業務もそれぞれ近いとこもあり、全く違うところもあるでしょう。
誰かが作った世代論だけで若者を理解した気になっていては、いつまでたっても若者には近づけませんし、若者向けのマーケティングも失敗してしまいます。
そんな状況で、我々が若者を理解しようとする中でできることと言えば、とにかく「若者一人一人の声に耳を傾けてみましょう」、ということです。でも突然街の若者にインタビューするわけにもいかないですよね。
日本の若者の「生きた言葉」を知れるデコムのトレンドバンク
日本に実際に住んでいて、実際に生活していて、実際に生きている若者一人が、実際に記入した文章、それもそれぞれの「お気に入り」のできごとについて詳細に語られているもの、そんなデータベースってあるのかしら?
あるんです。毎度おなじみ、デコムの「Trendbank(トレンドバンク)」https://tre-ban.com/には日本の若者が実際に今、気に入っている、好きな、ハマっている、気になるできごとや行動が、たくさんつまっています。しかもそれぞれの若者が自分で書いた文章をなるべくそのままお届けする「生きた言葉」と触れ合えるメディアとなっております。
様々な生活カテゴリにおいて、Z世代にあたる年齢でソートしていただくだけで、単なる世代論に留まらない、唯一のデコムの分析官が「これはトレンドの芽になりそうだ」と判断した情報を大量に閲覧いただけます。
勝手にピックアップ、Z世代のリアルはこれだ!
独断と偏見で大堀が面白いと思った、トレンドバンクの若者事象を見ていただきましょう。
早速ワールドワイドなテーマに関する事象ですね。16歳の女子高校生の事象です。演劇部に所属しているのでしょうか、部活でLGBTQを題材とした演目をみんなで作り上げてミュージカルとして発表しているそうです。「社会問題をミュージカルの中で提起し、メッセージを伝えたい」、とても素敵です。自分が高校生だったころを考えてみると、自らのジェンダーについて考える機会は全くといっていいほどになかったなと、今更になって思います。アメリカのZ世代でいわれる社会問題への意識の高さ、ジェンダーへの意識、いじめ問題に対する意識、なども、この事象と関係していそうです。
「楽しさの中に真面目さもある。」この言葉もしっかりと受け止めていきたいです。TikTokで垣間見られる、「とにかく楽しく騒いでいる高校生」イメージに隠れた、発信されにくいけど、確実に「同世代の価値観に影響を与える」であろう活動がなされています。楽しさだけを追い求める高校生活のなかでふと立ち止まり、社会を変えるために同じ意識を持った人と、自分達なりの問題意識と、それに対する現時点でのアンサー(一つの答えを出す訳ではないと思いますが。)をミュージカルという形で周囲の友達、上の世代の先生たち、親たち、あるいは街に住む人々に届けようとしている姿がとっても素敵です。
近いテーマの事象をもう一つ。今度は19歳女性、大学生なんでしょうか。友達とふざけて男装をしてみたそうです。これも一見なんでもないようなささやかできごとにみえますが、「性差の意識」を友達との遊びの中で発見している味わい深い事象です。
この人は、男性の髪型や服装をしてみることで「やっぱ、男は男で女は女だと思った。」そうです。この言葉をどのように捉えるか。まだまだジェンダー・性差の意識は根深いと捉えるか、日本の学生にも体験を通じて性差を考えようとする意識が無意識に芽生えているのでは、などと考えるのかは自由ですが、これがリアルな若者の言葉であることは事実です。
若者世代を大きな視点から分析することも大事ですが、何も考えず、分析もせず一人一人の声にふれる時間もとっても大事な気がしています。こういった時間が皆様のマーケティングにもきっと役に立つかと思います。
デコムでは若者世代についてもトレンドバンクのデータを参考に日々考えております。何かお手伝いができそうなことがございましたらご連絡を是非、お待ちしております。
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今回は若者世代について考えてみました。次回もお楽しみに。
本記事執筆担当/【デコム・インサイトアナリスト】大堀
訪問観察調査(エスノグラフィック・リサーチ)を中心としたインサイト探索業務に三年間従事した後、デコムに参画。FMCG領域を中心に200プロジェクトにおけるインサイト分析を担当。ファクト(事実情報)に立脚した、実効性が高くインパクトのあるインサイトの発掘を得意とする。私生活ではバンド活動でベースを担当し、2014年にFUJI ROCK FESTIVALにも出演した。