商品開発に役立つフレームワーク8選|特徴・選び方・成功の秘訣まで徹底解説 | 株式会社デコム
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商品開発に役立つフレームワーク8選|特徴・選び方・成功の秘訣まで徹底解説

商品開発を行うに当たり、成功に導くにはフレームワークを活用した上で開発プロセスの効率化やリスクの最小化、そして市場適応力を向上させることが肝要であると言っても過言ではありません。

この記事では商品開発におけるフレームワークについての説明はもちろん、代表的なフレームワークを紹介すると共に、商品開発が成功する秘訣についても詳しく解説します。

商品開発とフレームワーク

商品開発フレームワークとは?

商品開発フレームワークとは、新しい商品やサービスを企画・開発する際のプロセスや手法を体系化したものです。これを使うことで開発チームは効率的にアイデアを具体化できるだけでなく、市場投入までの流れもスムーズに進めることができます。適切なフレームワークを選ぶことは開発のリスクを低減するだけでなく、成功確率を高めることも可能となるので、しっかりと吟味して選ぶことが必要です。

以下にて代表的なフレームワークと、フレームワークを選ぶポイントについて説明しますので合わせてお読みください。

代表的なフレームワーク

商品開発において、代表的なフレームワークには以下のようなものがあります。

1.Stage-Gate(ステージゲート)モデル

段階的な審査を通じて開発プロセスを管理する手法です。各ステージで評価を行い、次のステップへ進むかどうかを決定します。リスク管理がしやすいメリットがありますが、スピード感に欠けることが課題となり、デメリットになることがあります。

2.リーンスタートアップ

「構築→測定→学習」のサイクルを高速で回し、仮説検証を繰り返しながら商品開発を進めるフレームワークです。初期段階でMVP(Minimum Viable Product)を作成して、実際の市場でテストを行いながら改良を加えていきます。

3.デザイン思考

ユーザーの課題を深く理解することで創造的なアイデアを生み出すためのフレームワークです。観察 → 共感 → アイデア発想 → 試作 → テストのプロセスを通じて、ユーザー視点での製品開発を進めます。

4.アジャイル開発

ソフトウェア開発を中心に採用されるフレームワークで、短い開発期間での作業を繰り返しながら進める手法です。変化に対応しやすく、かつ、各部署やチームの共同作業を重視する点が特徴です。

5.バリュープロポジションキャンパス

自社商品が提供する価値と顧客ニーズのずれを解消するためのフレームワークです。顧客セグメントとそのニーズ、自社商品の提供価値を同じシートにデザインします。商品コンセプトを検討する初期段階に有効な手法です。

6.ジョブ理論

顧客が自社商品を求める真の目的を明らかにするための手法です。顧客が商品を使う(雇う)ことで達成したい目的(ジョブ)を、問いの繰り返しによって明らかにし、本質的な課題の解決を促します。ジョブ理論ではニーズとジョブは異なるとされており、ニーズが商品に向けられた欲求であるのに対して、ジョブは製品に依存しない欲求であるとしています。

7.ブルーオーシャン戦略(ERRCフレームワーク)

既存市場の競争から抜け出し、競合のいない新市場(ブルーオーシャン)を創るための戦略です。Eliminate(取り除く)・Reduce(減らす)・Raise(増やす)・Create(付け加える)の4つの視点から商品・サービスを見直すことで価値を再定義します。

8.ビジネスモデルキャンバス

事業全体の構造(価値提案、顧客、収益構造など)を1枚のシートで整理・可視化するフレームワークです。特に複数部署が関与するプロジェクトで、全体の方向性を揃え、認識のずれを防ぐことに有効です。新規事業や複雑な製品開発に適しています。

 

フレームワークを選ぶ上でのポイント

次に、商品開発のフレームワークを選ぶ際のポイントを説明します。

業界・市場環境

業界や市場の特性によって、適するフレームワークは異なります。例えば、技術革新が激しいIT業界ではアジャイル開発が有効ですが、規制の厳しい医薬品業界ではStage-Gateモデルのような厳格なプロセスが求められます。また差別化が難しい成熟業界では、視点をずらしたり、より掘り下げるブルーオーシャン戦略やジョブ理論が有効です。

プロジェクト規模

小規模なプロジェクトでは迅速な意思決定が求められるため、リーンスタートアップやデザイン思考が適しています。一方、大規模プロジェクトでは関わる人が多いからこそ、プロセス管理がしっかりしたフレームワークが必要となります。Stage-Gateモデルやビジネスモデルキャンバスが有効です。

組織文化

組織の文化や開発チームの特性も、フレームワーク選定に影響を与えます。柔軟な環境を好む企業はアジャイルやデザイン思考、ジョブ理論が適していますが、組織階層が明確な企業ではStage-Gateモデルのような体系的なアプローチが適する場合もあります。また顧客理解を重視する文化では、バリュープロポジションキャンバスやデザイン思考、ジョブ理論が適しています。

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商品開発が成功する秘訣

最後に、商品開発を成功させるための秘訣について説明します。成功に導くためには以下の要素が重要となります。

市場リサーチの徹底(商品コンセプトやインサイト)

市場リサーチは、成功する商品開発の基盤となります。まずはターゲット市場の動向や競合他社の戦略を分析し、消費者のニーズや課題を明確にしましょう。定量的なデータ(アンケートや販売実績)と定性的なデータ(インタビューや観察調査)を組み合わせることで、より精度の高い市場分析が可能となります。

また、消費者の潜在的な欲求やインサイトを深掘りして、それを商品コンセプトに落とし込むことも求められます。こうした市場調査を通じて、競争力のある商品アイデアを具体化し、開発プロセスの指針を定めることができます。

ユーザーのフィードバック

開発初期の段階からユーザーの意見を積極的に収集して、プロトタイプを実際に使ってもらいながら継続的な改良を行うことも重要です。フィードバックの収集方法には、ユーザーテスト、アンケート、インタビュー、A/Bテストなどがあり、それぞれ異なる視点から製品の課題や改善点を特定できます。特にユーザーの行動データやリアルタイムのフィードバックを分析することで、期待される機能やUI/UXの最適化が可能となります。開発プロセスの各段階でフィードバックを取り入れ、反復的に改善を加えることで、市場ニーズと合致した製品を生み出すことができます。

柔軟な開発プロセスの導入

市場の変化やユーザーの反応に応じて、開発プロセスを柔軟に調整できる体制を整えましょう。具体的には、アジャイル開発のような反復的なプロセスを採用し、小さな単位で計画と実行を繰り返すことで、より迅速に市場のニーズに対応できるようになります。

また、データ分析を活用し、リアルタイムでの意思決定を可能にすることで、戦略の見直しを迅速に行うこともできます。チーム間のコミュニケーションを円滑にし、コラボレーションを強化することも、開発プロセスの柔軟性を高めるために重要です。固定的な計画にとらわれず、適宜戦略を見直すことで変化の激しい市場環境に対応しやすくなります

まとめ

商品開発におけるフレームワークは、開発の成功率を高めるための重要な手法だと言えます。業界やプロジェクト規模、組織文化に応じたフレームワークを選択するのはもちろん、市場リサーチやユーザーのフィードバックを活用しながら柔軟に開発を進めることも求められます。

この記事を参考にして、適切なフレームワークを導入し、競争力のある製品を生み出し、市場での成功を収めていただければ幸甚です。

 

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