顧客理解を深めよう!重要性や方法・ポイントについて解説 | 株式会社デコム
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顧客理解を深めよう!重要性や方法・ポイントについて解説

1. 顧客理解とは

顧客理解とは自社のターゲットとなる顧客の属性、ニーズ、購買までの行動などを正確に把握することです。これによって企業活動全般において効果的な施策が可能になります。顧客ニーズと言っても、既に本人も気付いていて明らかになっている顕在ニーズ、本人はまだ気付いていない潜在ニーズ、深層心理で感じていて本人も気付いていないインサイトなど多様な層があります。表面的な理解にとどまらず、深い顧客理解に努めることでより正しく顧客をつかみましょう。

2.なぜ顧客理解が重要なのか

ターゲットを定めることができる

顧客理解を深め、顧客のニーズを理解することができれば自社商品やサービスで応えるべき顧客層が明確になります。ターゲットが定まらなければ、どのマーケティング施策が効果的で何を優先するべきなのか決定することができません。また、ターゲットを明らかにすることは顧客満足度を高めることにも直結します。

製品やサービスの改善・開発に役立つ

顧客が自社商品に感じている価値、不満、また市場で充たされていない欲求や期待を把握することで、新しいアイデアや改善点が見えてきます。特に技術格差が縮小した現代では、技術面だけで商品開発を進めるとすぐにコモディティ化する恐れがあり、顧客視点で製品やサービスの改善・開発することの重要性が高まっています。

ロイヤリティを構築できる

特定の企業に対し、愛着や信頼を感じる度合いのことを顧客ロイヤリティと言います。顧客理解を進め、顧客が真に求めるニーズに応えることができればこの顧客ロイヤリティを高めることにもつながります。顧客ロイヤリティを高めることで企業や商品に対してのファンを育成し、結果として、1人の顧客が企業に対してもたらす総収益の期待値「LTV(顧客生涯価値)」の向上につながります。

3.顧客理解を深めるためのポイント

企業視点ではなく顧客視点に立つ

企業視点で顧客を見てしまうと、客観的・表面的な理解にとどまってしまい心理的側面や本質を見逃してしまうことが多くなります。顧客視点に立つことで、生活環境や背景までとらえた深い分析を行うことができ、高解像度な示唆を得ることができます。

顧客インサイトを意識する

インサイトとは顧客自身も気付いていない隠れた深層心理にある欲求のことを指します。一言でいうと『顧客を動かす隠れた心理』のことです。顧客行動の裏にはそのような顧客インサイトが隠れていることを意識してデータを読み込むことで、単なる表面的な理解にとどまることなく、核心に迫る顧客ニーズを導きだすことができます。

N=1に着目する

顧客を集団で理解しようとするとニーズがぼやけたり、気付かないうちに顧客不在の机上の空論になるリスクがあります。そこで、たった一人の顧客に焦点を当てて理解を深めるアプローチが有効です。他社では捉えられないユニークな価値やニーズを見つける手助けとなり、斬新なアイデアの発見につなげることができれば競争優位性のある価値提供につながる可能性を秘めています。

4.顧客理解の方法

属性分析

属性とは性別・年齢・居住地・家族構成・年収などの基本情報のことを指します。それらを特定の属性情報でグループにすることをセグメントと言い、セグメントごとの動きを見たり、セグメント間を比較することで顧客の特徴や傾向をつかむことができます。セグメント毎にあらわれるニーズの違いや多様性を把握することは自社商品やサービスのターゲットとなる顧客を選定することにも役立ちます。

行動分析

行動分析とは文字通り「顧客の行動」を分析することです。POSやEC上の購買データ、WEB上やECサイト上での行動データ、メールなどの配信情報に対する反応データなどが含まれます。また、リアル店舗での顧客の動線、家での商品利用の様子なども対象となります。行動に注目することで言葉には表れないような感情や趣向、ニーズを見つけ出すことができ、より顧客理解を深めることができます。

ヒヤリング

ヒヤリングとは直接顧客に尋ねる方法で、インタビューやWEBアンケートなどの方法があります。ヒヤリングは顧客も気付いていなかった潜在ニーズを引き出すきっかけとなる場合があります。ただし、心理的なブロックが働いて本音を引き出せなかったり、顧客自身も気づいていない深層の本音が隠れている可能性がある点に留意が必要です。これらの点を考慮しつつ、顧客の言葉を全て鵜呑みにすることなく、ヒントとして活用しながら分析することが大切です。

5.顧客理解に活用できるフレームワーク

RFM分析

RFM分析とは、顧客を「最終購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「累積購入額(Monetary)」の3つの指標で評価して分類し分析する方法です。それぞれの頭文字を取ってRFM分析と言われています。離反対策に繋げたり、分類したグループごとにマーケティング施策の最適化を図ることができます。また、自社状況を把握することができる点もメリットです。

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップとは顧客が商品やサービスを認知してから、検討、購入するまでの一連の流れを見える化したもののことを指します。顧客心理を点でなく一連の流れでとらえることでより理解を深めることができます。適切なタイミングで効果的なコミュニケーションを図り、顧客がどこでつまずいているかを明らかにし、改善につなげることが可能です。

5W1H

5W1Hフレームワークとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の観点で整理して顧客の理解を深めるものです。企業側の目線に陥りそうな状況でも、5W1Hフレームワークを使うことで顧客目線に立った状況把握がしやすくなります。

行動トレンド分析

行動トレンド分析は、時期によって売上が変わることに着目して顧客を分析する方法です。シーズンや曜日、時間などどの時期にどのような顧客が購買行動の盛り上がりをつくっているかに着目することで、より顧客理解の解像度を高めることができます。また、時期に合わせたマーケティング施策を行うことができ、より高い効果を期待できます。

6.消費者理解に役立つ記事

ここでは消費者理解に役立つ記事をいくつか紹介します。

「この商品は買わない」消費者の不満を聞いてはいけない理由

「買いたくなる理由」は、そのブランドの強みと言っても良いでしょう。しかし、その強みがあるから購買という成果に結びつくとは限りません。マイナスの理由である「買いたくならない理由」が解消されていないと、なかなか購買には辿り着かないとデコムでは考えています。
https://decom.org/contents/2916

今さら聞けない!? これだけおさえれば大丈夫 「インサイトの基本」

インサイトを正しく捉えることではじめて、「隠れた心理」を明らかにし「顧客を動かす」ことができるマーケティング戦略がたてられるのです。繰り返しますが、消費者が言葉にできる、明らかなニーズを聴取するだけでは顧客は動いてはくれない時代です。
https://decom.org/contents/3007

ユーザーが「住まい相談」を通じて、本当に得たかった価値とは?そのインサイトが明らかに

『仮説探索』から『仮説検証』の2ステップを経て、最終的に導き出した「住宅購入相談のインサイト」は、次のようなものでした。
ユーザーが「住まい相談」に求めているのは、単に希望の条件に合った住まいを実現することに留まらず、“住まい相談を通じて、夫婦・子どもとのみらいの幸せや安心の見通しを得たい”というものでした。
https://decom.org/contents/3104

7. まとめ

顧客理解は、顧客視点での思考を深め、企業活動全般に活用できるとても重要な要素です。正しい理解と適切なアプローチを行うことで、顧客との信頼関係を構築し、顧客満足度を高め、企業の成長に結びつけていきましょう。

 

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